こんにちは!
本日は宅建建物取引士の勉強編第5回です!
今回は制限行為能力者について解説していきたいと思います。

このブログは
・4年制大学建築学科卒
・社会歴5年目
・転職歴2回
・取得資格
一級建築士、宅建士、賃貸不動産管理士(合格のみ)、管理業務主任者
(現在登録準備中)の経験を元に書いております。
制限行為能力者
制限行為能力者とは、判断能力が不十分な人のことです。
極端に言えば認知症の方や保育園児のことですね。
制限行為能力者は一人で判断できる能力がないため、契約などの法律行為においても正しい判断ができない。そのため制限行為能力者が単独で行った法律行為は、取り消しが可能となります。(それぞれ条件あり)
制限行為能力者と(保護者)
制限行為能力者は、未成年者と判断能力のレベルにより3段階にわかれます。
- 未成年者(法定代理人)
- 成年被後見人(成年後見人)
- 被保佐人(保佐人)
- 被補助人(補助人)
保護すべき対象のレベルが異なるため、保護される内容も変わってきます。
保護者の権限について
同意権:特定の法律行為を行う際に事前の同意が必要とされる権利。
例:制限行為能力者が契約を結ぶ場合、法定代理人の同意が必要となります。
取消権:有効に成立した契約や法律行為を後から取り消すことができる権利です。
例:制限能力者が法定代理人の同意なく行った行為を取り消す等
代理権:本人の代わりに法律行為を行うことができる権利です。(利益相反行為は無効)
追認権:制限行為能力者が行った取り消し可能な法律行為を、取り消さずに有効とする意思表示をすることができる権利です。
保護者の権限 | 同意権 | 代理権 | 取消権 | 追認権 |
未成年者 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
成年被後見人 | ✕ | ◯ | ◯ | ◯ |
被保佐人 | ◯ | ✕* | ◯ | ◯ |
被補助人 | ✕* | ✕* | ✕* | ✕* |
未成年者
未成年は、18歳未満の者を指します。
保護者の権限についても、同意権・代理権・取消権・追認権すべてあります。基本的には未成年者が法律行為を親なしでやることは想像できないと思いますのですべて親が権限を持っているのはおかしくないでしょう。
未成年者は法定代理人(保護者)の同意なしに行った法律行為は、本人または法定代理人はその行為を取り消すことができます。※無効ではないことに注意
例外的に
- 単に権利を得る、または義務を免れる法律行為(贈与や債務の免除など)
- 法定代理人が処分を許した財産の処分(お小遣いを使う)
- 法定代理人から営業許可を受けた場合(その営業の範囲内で行う行為)
上記の場合には、取り消しができません。基本的には問題ないことなので当然と言えば当然ですね。
成年被後見人
成年被後見人とは、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者のとして家庭裁判所が「後見開始の審判」を行うことで認定されます。
成年被後見人は、もうまともな日がないボケた老人といったところです。
未成年者同様に全ての権利が保護者である成年後見人にあると思ってよいのですが、一点違う点はまともな状態がそもそもないため同意権がありません。
同意して許可した内容でさえ正しくできるかも怪しいためです。
成年被後見人の行った法律行為は原則取り消すことができます。
例外的に、日用品の購入など日常生活に必要な行為については取り消しできません。
被保佐人
被保佐人とは、精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分であるものとして家庭裁判所が「後見開始の審判」を行うことで認定されます。
成年被後見人ほどではないとはいえ、判断能力が低いレベルのため重要な取引については同意が必要となります。
重要な取引
- 元本の領収または利用
例: 預金の引き出しや資産運用。 - 借財または保証
例: 借金をしたり、他人の債務を保証する行為。 - 不動産や重要な財産に関する権利の得喪
例: 不動産の売買、賃貸借契約など。 - 訴訟行為
例: 訴えを提起する、訴訟を取り下げるなど。 - 贈与、和解または仲裁合意
例: 財産を無償で譲渡する、争いを和解で解決する。 - 相続の承認または放棄、遺産分割
例: 遺産を受け取るか放棄する決定。 - 贈与の申し出拒絶や負担付贈与承諾
例: 負担付き遺贈(条件付き遺産)の承諾など。 - 新築、改築、増築、大修繕
例: 自宅の大規模リフォーム。 - 長期賃貸借契約(一定期間超過)
土地は5年、建物は3年以上の賃貸借契約。
保佐人の同意が得られない場合は、家庭裁判所が代わりに許可を与えることがあります。
被保佐人が保佐人の不当な行いにより、同意が得られないことを防ぐための制度です。
代理権については基本的にはなく、家庭裁判所から代理権の付与の審判がなされた場合のみ代理権が認められます。
基本的には自分で判断できるのに、保護者が代理して行うのは制限行為能力者を守る制度の意に反しているからですね。
被補助人
被補助人は、精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分な者のとして家庭裁判所が「補助開始の審判」を受けたものです。
被補助人は、かなり軽度のためほとんど一般の人と変わりません。つまり原則は単独で法律行為を行うことができます。
基本的には本人が申し出た内容で家庭裁判所が定めた「特定の法律行為について」保護者となったものが保護することになります。
補助開始の審判は、本人、配偶者、4親等内の親族が請求できますが、本人以外の者が請求する場合には本人の同意が必要です。
特定の法律行為について同意を得ずに行った場合は取り消しが可能です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
似たような文字が並ぶため覚えにくいかもしれませんが、体系立てて覚えると簡単に覚えられると思います。
判断能力が低い人を保護するための制度のため、本人が判断できる範囲はできるだけ本人で行うようにしている点を押さえれば覚えやすいと思います。
それでは本日もありがとうございました!

またね〜!
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